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  • 執筆者の写真道労連 DOROREN

現場の声 各界に要請

賃上げ、均等待遇、無期転換、いのちと暮らし守る 経営者団体、行政へ2022年春闘要請

 道労連は3月9日の回答集中日を前に、現場の声をもとに各界へ2022年春闘要請を経営者団体や行政に届けています。3月2日には道経連、3日には北海道中小企業家同友会、道庁への要請を実施。今日、8日は労働局への要請を行う予定です。


 

日本の賃金抑制は異常 賃上げで責務を全うを

【北海道経済連合会への要請】


 道労連の三上友衛議長は、「世界的に見ても日本での賃金抑制は異常だ。労働者の賃金を引き上げるくらいの内部留保は十分に積み上げられている。今こそ経済界がその責務を全うすべきではないか。労働者・社会への還元を強くはたらきかけてほしい」と求めました。


 北海道経済連合会の桑原崇労働政策局長(写真・右)は、地域経済の発展や労働者の雇用・生活安定という点では「共通の思いがある」とした上で、賃金引き上げについては業種・企業間での状況が一律ではないことから「それぞれの企業ごとに自社の情報をしっかりと共有し、十分な話し合いを行った上で決定すべき」との認識を示しました。均等待遇や無期転換逃れなどについては、「法令順守は必然。加えて、人材確保のためにも前向きに取り組んでいくべき課題」としました。

 公立・公的病院の統合再編や地域医療構想については、「人口減と過疎のもとで限られた財源をどこに振り向けるのか、一定の見直しは必要ではないか」との見解をのべました。


 北海道医労連の坂本諭書記長は、「地域にとっては『人こそが最大のインフラ』ではないか。それを守る上で不可欠な医療施設をなくすことは、地域経済を壊すことにもつながっていく。コロナ禍で、地域医療の重要性は誰もが感じているはず。経済界の立場から、地域医療守れ!の声をあげてほしい」と要望しました。


 

保護者の困窮深刻 若者の未来ひらく制度へ

【北海道庁への要請】


 道庁へは、会計年度任用職員などの賃金引き上げや「一律公募」の是正、保健所の体制・機能の拡充、修学支援や奨学金の拡充などを要請しました。


 公立・公的病院の統合再編や地域医療構想については、「これまでに北海道や地元から『見直し』が必要という声が出たことは一切ない」とした上で、「感染拡大時の対応」も想定して第8期地域医療構想を検討していくとしました。

 道労連の三上友衛議長は、「道民の命に係わる問題であり検討の余地などない。鈴木知事には、こんな計画は到底受け入れられないと、きっぱり国に対して突っぱねてもらいたい」と強く求めました。


 また、高等教育や高校への修学支援・奨学金の拡充、公私間格差の解消については、国へ拡充を要望しているとしつつ、道独自の施策については消極的でした。2020年度からスタートした新しい修学支援金については、高校進学世帯のうち半数が世帯年収590万円未満で、4分の1が270万円未満との実態が報告されました。子どもの貧困問題は、保護者の困窮と直結していることがあらためて浮き彫りになりました。


 道労連の伊藤賢太事務局次長は、「そもそも支援金も奨学金も『枠』が少なすぎて、必要な人が受けられないのが実情。若者の未来は、国の未来そのもの。国も、道も、抜本的に拡充してもらいたい」と要請しました。


 大学生の支援については、金銭的なことに加えてコロナ禍でつながりが分断・孤立する中で「メンタルケア」がいっそう重要であるとの認識が一致。多様な形でのつながれる場づくりと、大学生協というインフラを活用した支援の具体化・予算措置を検討するよう要請しました。


 

賃金抑制がデフレの要因 賃上げに舵を切るべき

【北海道中小企業家同友会への要請】


 道労連の三上友衛議長は、「リーマンショックや3.11など、日本の政府・経済界は労働者にしわ寄せすることで困難を乗り切ろうとし、結果的に長期的な経済の凋落・低迷を生み出してきた。同じ過ちを繰り返すべきではない。大企業は内部留保をしっかりと還元し、中小企業には支援を強化して、労働者の賃金引き上げに舵を切るべきだ」と要請しました。


 北海道中小企業家同友会の中上雅之事務局長は、「新型コロナウイルスに関する国への緊急要望アンケート」結果を紹介。石油や原材料高騰などの外部要因が大きな負担となり、85%の中小企業が全部・一部含めて価格転嫁できていない実態にあることや、最低賃金の引き上げ分が一部・全部価格転嫁できていない中小企業が78%であることが報告されました。


 北海道中小企業家同友会の佐藤紀雄専務理事(写真・右)は、「先進国の中で日本だけ賃金が上がっていない現状は異様だ。デフレの要因にもなっている。最低賃金の水準も十分だとは言えない。ケア労働者の賃金引き上げも重要な施策だと認識している」と見解を述べた上で、事業者や企業による差は個々で違うため賃金や労働条件は個別企業で十分に話し合って決めるのが望ましいとの考えを述べました。


年金、引き下げるべきではない 最賃1500円の道筋が課題に


 社会保障については、セイコーマートが地域では果たしている役割・事例が紹介。主力は単価200円前後の商品であり、もっとも売り上げがあるのは15日(年金支給日)、次に1日(生活保護支給日)となっており、社会保障が道民生活や地域経済にとって重要であることもふまえて年金は引き下げるべきではないとの考えを述べました。


 また、全労連の最低賃金政策については、1500円をどんなステップで、いつまでに実現しようとしているのか、地域間格差は具体的にどうやって解消するのかが見えないままでは、中小零細企業の合意を広げるのは難しいのではないと指摘を受けました。まずは加重平均を上げていくことや、5人未満の事業所の社会保険問題などについて意見をもらいました。


 道労連の出口憲次事務局長は、「全労連として1500円実現の具体的なロードマップはまだ途上であり、単年度での引上げ目標も設定できていない。指摘いただいた点もふまえて改善をはかっていきたい」と述べました。


 公立・公的病院の統合再編や地域医療構想については、北海道中小企業家同友会の佐藤紀雄専務理事は「消費税・インボイスと同様に、このコロナ禍でいま地域医療の統廃合を進めるのが適切だとは思えない。別海の町立病院のように住民みんながつながれる場づくりが大切」と地域医療の統廃合には否定的な考えを述べました。

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