談話「2026年度北海道最低賃金改定の答申について」
- 道労連 DOROREN
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談話「2026年度北海道最低賃金改定の答申について」
2026年8月5日
北海道労働組合総連合
事務局長 出口憲次
北海道地方最低賃金審議会は2026年度の北海道地域別最低賃金額の改定について、現行の1,075円から56円(5.2%)引き上げ、1,131円とする答申(8月4日付/10月1日発効)を公労使全会一致で決定した。これは中央最低賃金審議会(中賃)が提示したBランクの目安額どおりの結果であり、物価高騰に苦しむ道内労働者の実情や生計費原則を鑑みれば、到底納得できるものではない。
道労連が7月21日に提出した意見書および「最低生計費試算調査(2026年5月改定版)」で明らかにした通り、札幌市で25歳の単身者が人間らしく暮らすために必要な最低生計費は、月額約28万2千円であり、時給換算で1,800円以上(法定労働時間173.8時間換算でも約1,600円)が必要との結果が出ている。
しかし、今回の審議では物価上昇分を微かになぞる程度にとどまり、「労働者の生計費」を置き去りにした企業側の「支払い能力」ありきの審議が繰り広げられた。政府が「2020年代に全国平均1,500円」の目標を先送り・後退させたことが影響を与えたことは明白であり、低賃金に苦しむ労働者・国民への責任放棄と言わざるを得ない。
北海道において最低賃金を抜本的に引き上げることは、単に個々の労働者の生活を守るにとどまらず、道内経済を再生させるための不可欠な「経済政策」である。 北海道のGDPの約6割を占めるのは個人消費であり、働く人の賃金引き上げこそが消費行動を活性化させ、地域内での経済循環を生み出す最大の原動力となる。
また、医療・福祉・介護をはじめ、地域インフラや生活を支えるエッセンシャルワーカーの賃金は最低賃金と強く連動している。最低賃金の大幅な改善は、深刻化する人手不足を緩和し、労働力の質的向上と定着を後押しするものである。
さらに、最低賃金の地域間格差は、本道からの若者や現役世代の人口流出・過疎化を招く大きな要因となっている。都府県との賃金格差を埋める大幅引き上げを実行してこそ、道内での就労と定住を促進し、持続可能な地域社会と道内産業の発展を確保することができる。今回の答申額1,131円では、東京都などのAランク地域との大幅な格差は解消されず、人口流出や地域格差に歯止めをかけることはできない。
最低賃金の大幅引き上げを道内で実効性あるものとするためには、全企業の大部分を占める中小企業・小規模事業者の経営を支える施策が不可欠である。単なる「生産性向上」や「効率化」の押し付けではなく、社会保険料の事業主負担軽減や直接的な賃上げ助成など、国および北海道による抜本的な直接支援策の拡充が必要である。あわせて、大企業・親企業による労務費・原材料費の適正な価格転嫁と公正取引の徹底を強く要望する。
道労連は「いますぐ時給1,700円以上」の実現、全国一律最低賃金制度の確立、中小企業支援の抜本拡充に向け、職場・地域からの運動をさらに強めていく。物価高騰から労働者のくらしを守り、誰もが北海道で人間らしく働き、安心して暮らし続けられる社会の実現をめざし、全力をあげる決意である。
以上




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