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執筆者の写真道労連 DOROREN

ボトムアップ型への転換すすめよう


「現場の声」にこだわる~道労連第37回定期大会を開催


 道労連は8月4日、札幌市で「第37回定期大会」を開催。16単産40名・15地域17名の代議員をはじめ85名が参加し、「現場の声で要求前進を実感できる一年に」のスローガンのもと、2024年度の運動方針を満場一致で決定しました。


 

要求前進と労組の力を実感できる一年にしよう

道労連議長 三上 友衛



 最賃の引き上げは過去最高であり、北海道でも1000円を超える。政府・財界は、企業がもうかれば賃金が上がるという、いわゆるトリクルダウン論を喧伝し、労働者の賃上げを後回しにしてきた。全労連・道労連が粘り強く声を上げ続けたことで、賃上げこそ必要、の世論は今ゆるぎないものになっている。


 しかし、最低生計費調査で明らかになった時給1500円には遠く及ばず、『一桁足りない』と言わざるを得ない。全国一律・時給1500円を実現するため、国や道への取り組みを強化することが必要。


 儲けのためなら何でもやる、新自由主義を推し進める政治が、命と人権、くらしを脅かしている。拡大する格差と自己責任の押し付けが、労働者を分断し、自身の劣悪労働・生活実態や差別・偏見を「当たり前」と思わされ、問題に気付けない、たとえ気付けても「あきらめてしまう」状況が社会全体に広がってしまっているのではないか。


 私たち労働組合の中にも、職場の問題でも、政治・社会問題でも直接話す、議論する機会が奪われ、要求や行動への熱量を上げられない、というのが共通する課題だ。いま求められているのは、ひとり一人の組合員の声を聞いて、一致点・要求をしっかり確認しあうこと。職場の要求でたたかえた、前進できたという教訓と同時に、うまくいっていない実態も率直に出し合い、前進の展望と労働組合の持つ力、パワーを実感できる大会にしよう。


 

【方針提案】引き続き「現場の声」大切に組織変革すすめる

道労連事務局長 中川 喜征



 現場の声にこそ職場を、社会を変えるパワーがあることを強調。そのパワーを最大限に引き出すことを通じて、道労連を強く大きくしていくことをめざして、引き続き組織変革をすすめていくことを方針に柱に位置付けていることや、トップダウン型からボトムアップ型への転換をすすめる具体的な取り組みとして、役員の目線合わせやスキルアップ、地域を軸にした「ゆにきゃん」の推進、労組活動の基礎となる会議をアップデートしていくための学習・ワークにとりくむことを提起しました。


 賃金闘争では、社会的な賃金闘争としての最賃全国一律制・1500円実現をめざす運動と、25春闘での「100%要求提出」など、「現場の声」を引き出すことを位置づけて取り組むことを提案しました。


 

【大会討論抜粋】


職場と社会つなぐ地域で交流の場を

道医労連 吉田 岳彦 代議員



 職場に散らばっている要求を話し合ってまとめていくことが大切。次世代の役員・活動家を育てるためには労働組合活動の活性化が必要。労働組合本来の力をどう引き出していくのかが問われている。


 地域のなかで各単産・単組の情報交換を進めることは効果がある。企業内組合化していくと、職場の要求と社会的な要求とのつながりが見えなくなってしまう場合もある。交流を含めて元気の出る学習などの企画が必要ではないか。


 道労連は、安心して働き続けられる地域づくりや平和・憲法の取り組みも重要だが、まだまだ社会的な影響力は少ない。2割〜3割の組織率をめざして、多くの人々に認知してもらうことが必要だし、そのためにも活動と成果をもっと見えるようにすべき。


 

「ゆにきゃん」活用し12月に労組結成へ

札幌地区労連 佐藤 友美 代議員



 6月に全労連主催の「ゆにきゃん」フルワークショップに参加した。ひとり一人のパワーを引き出すために、「頼まれたからやる」のではなく、「自分で考える、やりたいからやる」へと変化していくことが大事であり、その変化をつくりだしていくための方法を学んだ。


 「自分が活動をしているのは何のためなのか」を掘り起こす作業を通じて、自分の価値観にあらためて気付くことができた。仲間づくりをすすめる時に、相手の価値観を引き出して、共有しながら一緒に活動をしていく大事さが、よくわかった。


 私は、法律事務所で事務職員として働いている。札幌の法律事務所につとめる事務職員の組合を立ち上げたいと思い、「ゆにきゃん」で学んだスキルを使って進めている。


 組合立ち上げに向けたミーティングを通じて、まず最初に行なったのは、なぜ組合が必要だと考えるのか、どんな組合にしたいのか、組合で何をしたいのか、などをひとつひとつ確認することで、4〜5回の会議を行った。


 チームでの価値観を共有し明らかにすることで、誰か一人が活動を主導するのではなく、チーム全員が同じ熱量で、同じ見通しを持って動くことができている。12月に結成(予定)できるよう取り組んでいく。


 

リアルな声を束ね思いを変化に結実

道教組 椙木 康展 代議員



 学校現場では「アフター・コロナ」を経て、たくさんの変化が生まれている。


 中学校の春休みは、3月25日ごろから始まり、4月6日頃の入学式までの約2週間ある。土日が4日間あるので、実質は10日間程度。3月末の5日間は、指導要録作成と教室の片付けで大忙し。4月の5日間は、新学期の準備。自分の学級のことだけではなく、学校全体に関わる準備があったり、職員会議があるので、その準備に追われたり、基本的には殺気に満ちている。とにかく余裕がない。加えて異動・転勤がある人は、さらに大変なことになる。


 そんな中、「新しい子どもたちとの出会いを大切にしたい」、「余裕をもって新学期を迎えたい」という現場の声や働き方改革の観点からも、「春休みを延長できないのか」という要求をまとめた。全釧路教組では、管内すべての教育委員会と懇談した。


 その結果、今年の春休みから入学式・始業式の日を遅らせて、春休みを2〜3日延長することができた。現場の声を丁寧にまとめ、それを教育委員会に直接届けたことが、要求実現に結びついた。


 「現場で働く人のリアルな声に耳を傾け、それを束ねる中で現状を改善したいという思いを『変化』に結びつけることがとても大切だ」ということを教訓にして取り組んでいく。


 

議長

 再・三上 友衛 (医労連)


副議長

 再・尾張   聡(高教組)

 再・出口 憲次(建交労)

 再・野上 徹哉(札幌地区労連)

 再・松田 啓一(北海道国公)

 再・宮澤   毅(建交労)


事務局長

 再・中川 喜征(福祉保育労)


事務局次長

 再・伊藤 賢太(医労連)

 再・竹田 吉宏(建交労)


執行委員

 再・伊藤   愛 (函労会議)

 再・岡   秀子(福祉保育労)

 再・亀谷   学(道高教組)

 再・河口 広行(北見労連)

 再・川村 安浩(道教組)

 再・田口 恭平(北海道国公)

 再・中野 奈織美(道医労連)

 再・中村 賢明(旭労連)

 再・宮田 隆生(生協労連)

 再・武藤 素子(女性部)

 再・室岡 昇(年金者組合)

 再・山本 隆幸(釧労連)

 再・横山   傑(苫小牧地区労連)




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