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執筆者の写真道労連 DOROREN

最賃引上げへ、北海道労働局に東北ブロックとの連名・統一要請書を提出



 道労連は5月17日、北海道労働局へ「最低賃金の引き上げと中小零細企業支援の拡充、及び最低賃金引き上げに関連する労働行政の改善を求める要請」を提出しました。この要請は、全労連東北ブロック(全労連加盟の東北6県の県労連で構成)のみなさんと連携し、C・Dランクの地方から大幅引き上げと全国一律制度の実現を求める流れを広げようと取り組みを重ねてきました。


 道労連の三上友衛議長(写真:右側)は、コロナ問題が長期化するなかで、深刻な経済停滞によりとりわけパート・派遣・契約・アルバイトなど非正規雇用やフリーランスで働く労働者が、失業や労働時間削減(収入減)に追い込まれていること、感染の危険にさらされながら働いているエッセンシャルワーカーは、最低賃金近傍の低賃金で働いている人が少なくないことについて触れ、「昨年の『ゼロ答申』は道内の労働者の足を引っ張り、賃金引き上げに強力なブレーキをかける結果となった。今年は必ず引き上げを行うよう審議を尽くしてもらいたい」と要請しました。


 

【要請項目】


  1. 今年度の最低賃金については、コロナ禍で、厳しい状況に置かれている労働者の生計費に基づき、ただちに「時間額1000円」以上をめざし、大幅引き上げを行うこと。

  2. 地域間格差の解消をめざし地域別最低賃金のA・B・C・Dランクを廃止し、全国一律最低賃金制度を確立すること。

  3. 最低賃金の引き上げと同時に、中小企業の社会保険料負担の減額制度を設けるなど、国による中小企業負担を軽減する直接支援を導入すること。また、労働者のくらしと経営改善につながるよう、生産性向上を前提としない直接的な賃金助成などの支援制度に改めること。または、現行の業務改善助成金制度を抜本的に改善し、要件の緩和、申請手続きの簡素化、助成規模を拡大すること。

  4. 地域別最低賃金の決定については、法の主旨に鑑み労働者の生計費を原則とすることを貫くこと。賃金支払い能力をその要素からはずすこととし、法改正を行い最賃決定の仕組みを改善すること。

  5. コロナ禍によって明らかになったエッセンシャルワーカーが国民生活にとって不可欠な社会機能を維持していることを重視し、そうした労働者や事業の実態等について熟知した専門家も審議会の構成員とすること。

  6. 北海道地方最低賃金審議会の審議の透明性を高める努力が続けられてきていますが、本審は一部傍聴不可とされ、専門部会はすべて傍聴不可となっている現状を改善し、すべてを公開して傍聴可能とすること。審議会委員に配布される資料は、引き続き傍聴者にも配布すること。また、コロナ禍で感染対策上やむを得ず傍聴を不可とする場合は、オンラインでの配信・参加を可能とすること。

  7. 最低賃金審議会の委員の選任は、労働団体の系統の違いに配慮しバランスよく選出すること。地方最低賃金審議会の専門部会の委員選出についても同様とすること。任命しない場合その理由を明らかにすること。

  8. 労働基準法違反や最低賃金法違反などの法違反を根絶するため、労働基準監督官はじめ、事務官、技官とも正規職員を中心とした職員体制の拡充強化を図ること。

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