「月28万円」は贅沢ではなく、生きるための「最低限度」のライン
- 道労連 DOROREN
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- 14 時間前
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【最低生計費試算調査】若者の“人並みの暮らし”をデータで証明
道労連は7月13日、「最低生計費試算調査(監修:静岡県立短大准教授・中澤秀一氏)」の最新アップデート結果を公表(※別紙)しました。同日行った記者会見と中小企業家同友会との懇談について紹介します。
「推し活があるから頑張れる」
~科学的データが証明した、若者の生きる尊厳と「妥当な生計費」
マーケットバスケット方式(生活に必要な品目を積み上げる科学的な手法)によって導き出された男性28万1,700円(年額338万円)、女性27万3,000円(年額327万円)という金額。これは決して、贅沢や高望みの結果ではありません。10年前の調査から21.8%も跳ね上がったこの水準は、いまの物価高を生き抜くための「最低限のリアル」です。
「切り詰めるのは一番最初に食事だ」という悲痛な声が現場から上がる一方で、調査では若者にとっての「心のインフラ」である教養娯楽費やサブスク代、そして「推し活」の費用も決して無視できない要素として浮き彫りになりました。若者たちは口を揃えて言いいます。「そういう推しがあるから、仕事も頑張れる」と。
ただ生きながらえるだけでなく、明日への活力を持って働く。そのためにこの生計費は、まさに「必要かつ妥当」な水準です。データが彼らの人間らしい暮らしの権利を証明した意義は極めて大きいといえます。

若者が地方で暮らし続けるための「共通の尺度」
~中小企業の人材確保・定着の基盤に
この調査結果がもたらした役割のひとつは、これまで曖昧だった「若者が地域で安心して暮らせる賃金水準」を可視化し、経営者と労働者の間でポジティブな共通認識をつくることです。
事実、札幌市内の大卒初任給(営業職で約21万円)を年収ベース(15ヶ月分換算)で計算すると約280万〜290万円となり、今回の調査で示された「人間らしい暮らしのライン」とほぼ合致します。中小企業団体の幹部も「この水準を出せている企業は、毎年ちゃんと社員も採用でき、賃上げもきちんとできている優良な企業」と共感します。
つまり、このデータは経営者にとっても「これだけ支払えば若い優秀な人材が残ってくれる、投資すべき妥当な基準」という前向きな指針になりうるものです。「北海道は東京に比べて生活費がかからない」という「地方神話」から脱却し、実態に即した賃金設計を行うための重要な調査結果です。

「1500円でも足りない」引き上げの根拠は明白
~「全国一律」の制度改正に向けた合意形成を
今回の調査結果は、停滞する国の最低賃金議論に一石を投じ、引き上げの正当性を大きく後押しするものです。
現在、北海道の最低賃金は1,075円。国や政府が目指す「1,500円」という目標すら、足元の物価高の前ではすでに過去のものとなりつつあります。「週40時間労働でちゃんと休みも取る働き方なら、本来は時給1,800円〜1,900円が必要」という今回の具体的な試算は、これまでの最賃議論の足踏みを加速させるためにも重要です。
この最低生計費試算調査は、全労連加盟の全国31の地方で実施されており、「東京でも北海道でも、若者の生活コストに大きな差はない」という事実が証明されています。生計費が同じ水準であるならば、最低賃金も「全国一律」であるべきだという私たちの主張を裏打ちしています。
最低限度の暮らしを守る水準が科学的に共有されたいま、次なるステップは中小企業が支払えるようにするための環境整備(社会保険料の負担軽減や「足枷」をしない助成制度)の改善・拡充が必要です。「月28万円」という妥当な基準を社会的な合意にしていくことが、地域経済を再生させ、地域での好循環(経済波及効果)を生み出すための確かな一歩となります。
最低賃金や非正規雇用労働者の賃金引上げはもとより、初任給・若年労働者の賃金、公務労働者の賃金などにも、この調査結果をおおいに活用してすべての労働者の賃金底上げにつなげましょう。





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